河津七滝めぐり

 12月4日、今年も残すところ1ヶ月となり、紅葉シーズンも終わろうと

している週末、伊豆の河津七滝に行ってきました。

 東伊豆の河津・下田と中伊豆の修善寺は何度か行っていますが、

両エリアをつなぐ「天城越え」ルートはまだ通ったことがなく、今回は

小説「伊豆の踊子」のルートを路線バスで辿ってみることにしました。

 まずは東海道新幹線伊豆箱根鉄道修善寺駅まで移動。空模様は

もう秋から冬のそれになっており、澄んだ青空が広がっていました。

三島駅のホームからは冠雪の富士山をきれいに眺めることもできました。

f:id:sunrise169:20211205232007j:plain

三島駅新幹線ホームから望む冠雪の富士山

 ここでちょっとした問題が発生。三島駅から乗車予定の修善寺行き特急

「踊り子3号」が遅れているとのこと。品川付近の踏切安全確認の影響のこと

でしたが、単線の伊豆箱根鉄道に入る際にも他の列車の運行に影響を与えない

ように調整が行われたため、遅れはさらに拡大。終点の修善寺には22分遅れでの

到着になり、当初予定していた路線バスに乗り継げなくなってしまったのです。

(正確にはダッシュすれば間に合ったと思いますが)

 でも大丈夫。ここは柔軟に予定を調整して、修善寺駅前をぶらぶらした後、

駅前のお蕎麦屋さんで早めの昼食を食べてから次のバスに乗りました。

 修善寺駅から天城峠を越えて河津駅に至るこの路線は踊り子街道とも呼ばれ、

人気のある伊豆の代表的な観光ルートです。この沿線には浄蓮の滝や

旧天城トンネル、湯ヶ島温泉など、観光スポットが多数あります。

今回はそれらはスルーして、まっすぐ河津七滝へ向かいました

 河津七滝は古代に火山活動によって流れ出し冷え固まった溶岩を河津川が

削ってできた複数の滝の総称です。溶岩の特性から特徴的な柱状節理が形成され、

その地形と滝の水の流れの組み合わせが様々な表情を見せてくれます。

最上流の猿田淵から始まり、釜滝、エビ滝、蛇滝、初景滝、カニ滝、出合滝、

そして大滝の7つの滝が徒歩1時間程度の距離に連続しています。

伊豆の遅い紅葉と合わさって、爽やかな雰囲気でした。

f:id:sunrise169:20211205235319j:plain

特徴的な柱状節理と地形の隆起が合わさった蛇滝付近

f:id:sunrise169:20211205235558j:plain

カニ滝と紅葉

 河津七滝をめぐった後は大滝付近から再び路線バスに乗ることもできましたが、

少し足を伸ばして「河津七滝ループ橋」を眺めてきました。

小説「伊豆の踊子」では「道がつづら折りになって…」と書かれる天城峠から

河津の街への急勾配。観光需要が急増し自動車による円滑な交通が求められる

時代になったことで、現代の土木技術を駆使し完成したのがこのループ橋です。

山肌に貼り付くように曲がりくねった道が敷かれていたのは過去の話、

鉄骨とコンクリートで造られた巨大な2段ループで空を走り、一気に標高差を

克服するわけです。山の中にこのような巨大な構造物が突然現れるのは

土木技術の優秀さを示すようでもあり、自然の中では異様でもあります。

 河津駅からは特急踊り子号で帰ります。ここで嬉しい偶然が。

夕暮れの東伊豆の海岸を北上する特急踊り子号。窓の外には相模灘が広がり、

遠くには伊豆七島が見えます。そのとき、列車と同じ方向に走る大きな船の姿が。

なんと日本最大のクルーズ客船「飛鳥Ⅱ」ではありませんか!

定期航路ではありませんから全くの偶然ということになります。

あまりのサプライズに私は大興奮でした。

 特急踊り子号で熱海まで行き、熱海からは新幹線に乗って帰りました。

踊り子18号は池袋行きなので、終点まで乗っていってしまうと私の家に帰るには

遠回りになることと、185系が引退した今の踊り子号にはあまり魅力を感じないと

いうのが理由です。

 

最後に本題からは外れますが、この日のNHKの「ブラタモリ」は「富山」だった

のですが、これが地理や都市発展の歴史が好きな私にはどストライクでした。

すごいぞワンダーランド富山!