早春の大糸線の旅
3月21日、三連休の最終日、春を迎えたばかりのJR大糸線に乗ってきました。
大糸線は長野県の松本駅から新潟県の糸魚川駅までを結ぶ地方交通線です。
途中の南小谷駅を境に北側はJR西日本、南側はJR東日本の路線になっています。
北側は風光明媚な姫川の渓谷を走り、南側は北アルプスを間近に眺めながら
仁科三湖の畔と安曇野を走る、車窓が自然豊かなローカル線ですが、
それは同時に沿線人口の少なさという問題を抱えています。
つい最近にも、JR西日本が存続に向けての協議を開始するという報道が
あったばかりであり、鉄道ファンとしては将来が気になるところです。
ちょうど雪融けの季節を迎え、この時季の山々は美しいだろうなと思い、
一日で全線を乗り通すために朝早く新幹線に飛び乗ったのでした。
まずは北陸新幹線の始発で糸魚川駅へ。途中の上越妙高駅付近では
これまたきれいに雪化粧をした妙高山を見ることができました。
北陸新幹線
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月20日
551E はくたか551号
大宮→糸魚川
E7系F15
下り一番列車なので空いている
都会から離れたローカル線の始発から2本目くらいの列車に乗りたいとき、
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月20日
・ローカル線始発駅付近で前泊してゆっくり起きて乗る
・早起きして新幹線の始発を使って乗り継ぐ
の2通りがあるが、オタクは後者をやりがち
早春の妙高高原。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月20日
北陸新幹線の車窓から。 pic.twitter.com/QaACdMFuRE
842、糸魚川に到着。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月20日
駅から黒姫山がこんなに近くに見えることを初めて知る。 pic.twitter.com/xaS9Krpufb
糸魚川駅から乗った大糸線の列車は単行のディーゼルカー。朝の早い列車で
ありながら、18きっぷシーズンということもあるのかそこそこの乗車率に
なっており、立ち客も出るほどでした。
この日は天候も穏やかで、まだ多くの雪を抱える姫川の渓谷は雪が日光を
反射して明るく、雪融け水が流れ込んだ姫川の水は清らかで水量も多く、
最高のロケーションとなっていました。
大糸線
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
428D 普通
糸魚川→南小谷
キハ120系キハ120-329
糸魚川発時点で座席は全て埋まり立ち客も出る程度 pic.twitter.com/ilvn0KV3DY
春の雪融けの姫川を往く。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
素晴らしい景色。
JR大糸線 小滝~平岩 pic.twitter.com/HYYKpMPrrW
JR大糸線、車窓は本当に絶景なんだよ…
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
姫川の流れに沿って走る渓谷路線 pic.twitter.com/HGyEazUDcA
糸魚川駅から1時間ほどで南小谷駅に到着。ここからはJR東日本の
「電車」に乗り継ぎます。南小谷駅で下車する乗客も多かったため、
こちらは空席の多い状態で発車しました。
956、南小谷に到着。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
JR東日本の車両に乗り継ぎます。 pic.twitter.com/aPUoxRc0JF
駅のホームの真ん中に除雪機が普通に置いてあるの好き pic.twitter.com/eBC3qbFo7y
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
途中の白馬駅に到着すると観光客が大勢乗車し、車内は一気に混雑しました。
この時季ですとやはりスキーでしょうか。一時ほどのブームはないにせよ、
白馬・八方尾根はスキーの名所として有名ですからね。
早春の白馬連峰、八方尾根。 pic.twitter.com/tlxBKYKeZV
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
八方尾根の「え!?あんな高いところにスキー場あるの!?」感すごいよね
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
列車は南神城駅を過ぎると「仁科三湖」と呼ばれる3つの湖の畔を走ります。
青木湖、中綱湖と進み、最後の木崎湖の北側にある海ノ口駅で途中下車
しました。この駅で降りたのは景色がよいこともありましたが、アニメの
「聖地巡礼」という目的もありました。実はこの木崎湖、オリジナルアニメ
「おねがい☆ティーチャー」「あの夏で待ってる」の舞台になっていたのです。
私は世代的に「あの夏で待ってる」(なつまち)なんですけどね。
駅前で「なつまち」のアニメシーンのカットを意識して記念撮影しました。
アニメ「あの夏で待ってる」でイチカと海人が辿り着いた場所、海ノ口駅で下車。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
駅の目の前には木崎湖が広がります。#なつまち pic.twitter.com/HNfFxLVjhy
一日1本だけやってくる大糸線直通の特急あずさの通過時間にちょうど
当たっていたので、駅の近くの田んぼで撮影。やってくる列車のほとんどが
2連の普通列車である大糸線において、9連の特急列車の存在感は圧倒的です。
しばらく列車が来ないので、徒歩で湖畔を進み木崎湖の南側へ。
木崎湖の面積は1.4 k㎡で小さいとはいえませんが、1時間もあれば反対側まで
歩いて行くことができます。
冬を越したばかりの湖は特に水が透き通っており、雪融け水も流れ込むために
大変清らかな姿を見せてくれます。
仁科三湖の一つ、木崎湖。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
清らかな雪融け水が流れ込み、透き通っている。 pic.twitter.com/FTqsBY5V4m
あ、なんかいいな、ここ pic.twitter.com/ATzWQId4Tm
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
森城(仁科城)跡。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
平安時代から戦国時代まで姫川流域を支配した仁科氏の居城。
武田信玄によって事実上滅ぼされたが、大町地域に数多くの文化遺産が残る。 pic.twitter.com/p3ebYIky44
アニメ「あの夏で待ってる」最終話でイチカと海人が別れたのは木崎湖のこの辺りでしょうか。#なつまち pic.twitter.com/y6DIQwxGlX
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
いい感じの切り株もあった。 pic.twitter.com/kMb7VVLiOq
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
木崎湖から信濃木崎駅まで歩き(時間ギリギリになったため実際は全力疾走)
次の普通列車に乗って信濃大町駅へ。この間でも雪が残った北アルプスの
山々を望むことができました。
大糸線の大町付近から眺める北アルプス。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
これは蓮華岳かな。 pic.twitter.com/jlFNkk6vGE
信濃大町駅に到着。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
反対側のホームに快速「リゾートビューふるさと」が停車中。 pic.twitter.com/6aNK1v9iFY
大町市は元は「大(おお)-町」だったのだが、市制移行時に「大-市」ではさすがに語呂が悪いため、「大町-市」になった経緯がある
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
信濃大町駅は立山黒部アルペンルートの長野県側の拠点になっています。
ただし立山黒部アルペンルートの開通は5月連休前なので、3月のこの時期は
ガランとしていました。
駅前の食堂で名物という「黒部ダムカレー」を食べた後、
次の普通列車で終点の松本駅を目指します。白馬からの接続が無い列車だった
ためか車内はガラガラで、終点までゆっくり座っていくことができました。
ロングシートの車両でしたが、東側のシートに座れば目の前の車窓に雄大な
北アルプスの山脈が広がります。観光路線として人気があるのも頷けます。
大糸線
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
4242M~5242M 普通
信濃大町→松本
E127系A7
大糸線南部は白馬から松本までずっと車窓に北アルプスが見えているのが素晴らしい。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
燕岳から常念岳付近 pic.twitter.com/kP4RuqxJvY
1538、松本駅に到着。 pic.twitter.com/BIrVRHPmTn
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
松本駅からは篠ノ井線の特急しなのに乗り継ぎ、長野駅経由で帰路に
つきました。あれ?松本から関東に帰るのなら特急あずさじゃないの?と
思われる方もいるでしょうが、意外にも松本~東京は直通の「中央本線ルート」
と長野駅経由の「篠ノ井線・北陸新幹線ルート」とでは所要時間に大差はなく、
埼玉県以北であればほぼ確実に「篠ノ井線・北陸新幹線ルート」の方が早く
着きます。しかも乗り継ぎ割引が適用されるので、特急しなのの特急料金は
半額になり、価格差もさほど大きくありません。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
松本から関東に行く場合、特急あずさが直通で直線的なルートを走っているので最も速そうだが、最終目的地が大宮より北であれば、一旦篠ノ井線で長野まで行き北陸新幹線に乗り継いだ方が早く着くことが多い。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
今日のしなの、普段より揺れが激しい気がする。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
こんな小刻みに揺れてたっけ?
1628、聖高原駅で運転停車。 pic.twitter.com/EjqpNI96CX
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
稲荷山駅で相鉄の車両を繋げたEH200とすれ違ったんだけどあれなんだろう?
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
1656、長野駅に到着。
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
終点の長野駅では数分の乗り継ぎ時間で北陸新幹線最速種別の「かがやき」に
接続。わずか1時間で大宮駅まで運んでくれました。ただし三連休の最終日の
夕方ということで上りの新幹線は満席であり、やむなく立席特急券での乗車に
なってしまいましたが、1時間で着くのなら耐えられますね。
北陸新幹線
— 上信リレー (@rapidchikuma) 2022年3月21日
510E かがやき510号
W7系W9
長野→大宮
ああ哀しみの「立席」特急券
(かがやきだけでなくあさまも満席)
駆け足気味ではありましたが、まだ雪が残る早春の大糸線を満喫することが
できました。山や湖が好きな人であれば、乗って車窓を眺めるだけでも
楽しむことができる、本当にステキな路線だと思います。