E4系Max新幹線、定期運行終了

 10月1日、日本で最後に残ったダブルデッカー新幹線車両であるE4系

ラストランを迎え、定期運行を終了しました。

1編成の8輌全車が2階建てであり、2編成を併結したときの乗車定員1634人は

高速鉄道としては世界最大の輸送力でした。

 先代のE1系とともに東日本でしか見られなかったオール2階建て新幹線。

「Max (= Multi Amenity Express)」の愛称が付けられたこれら系列の

登場は1990年代、東京の通勤圏が群馬県や栃木県まで拡大して久しく、

新幹線を通勤手段として使う会社員が増えていた時代でした。

最高速度の向上よりも輸送力の強化が求められ、日本どころか世界でも唯一、

オールダブルデッカーで電車方式の高速鉄道車両が登場したのです。

実は、機関車に牽引される客車方式であればダブルデッカーは世界でも

一般的な車両です。ところが、各車両にモーターや制御機器を積む電車方式は

本来ならそれらが設置される床下が客室に充てられてしまうため、設計的には

かなり難易度が高いものになるのですね。実際、Maxの車端部には大型の

機械室が設けられ、連結部の通路は迷路のような圧迫感がありました。

 登場から20年以上が経過し、その間に東日本の新幹線の設計思想も

変わっていきました。飛行機に対抗できる高速運転を目指すようになり、

さらに車種を絞って汎用性を高めることになったことで

「Max」の後継形式は造られないことになったのです。

E4系の引退は一つの時代の終わりといえます。

 

 引退に先立ち、9月5日に私もお別れ乗車をしてきました。

駅停車時に2階席から新幹線ホームを見下ろす経験も

防音壁に邪魔されずに240 km/hで流れていく目線の高い車窓も

これで本当に最後なんですねえ…

 

 そして10月1日、多くの鉄道ファンに見送られながら定期運用ラストランを

迎えました。たくさんの思い出をありがとう!さよならMax新幹線!