7月連休旅行1日目(えちぜん鉄道沿線巡り)
7月23日。いよいよ東京オリンピック開会式を迎えたこの日。
私は家でおとなしく開会式のテレビ中継を待機…することなく、
せっかくの連休ということで遠出の旅行をしてきました。
梅雨明け最初の週末ということで、天気は安定した晴れとなり、
というより猛暑となりましたが、熱中症にならないように気をつけて
出かけました。
1日目は福井県のえちぜん鉄道沿線を、電車とバスで回ってきました。
えちぜん鉄道はかつて福井駅を起点に路線を展開していた「京福電鉄」が
所有していた線路を引き継いだ第三セクター鉄道です。
当時の京福電鉄は経営不振から車両の整備や安全への投資もままならず、
半年間で2回もの正面衝突事故を起こしてしまい、当面の運行停止からの
廃線という最悪の流れを辿りました。
ところが問題はここで終わらず、それまで電車が運んでいた高校生を
中心とする大量の乗客が自家用車に切り替えざるを得なくなったため、
京福電鉄沿線の道路では渋滞が悪化して交通が麻痺状態になったのです。
これは負の社会実験と呼ばれ、一見すると赤字の地方私鉄であっても
地方の交通においてはラッシュ時の移動手段を分散し、道路の渋滞を
緩和する役割を果たしていることが明らかになったのです。
これを受けて福井県・福井市が出資する第三セクター鉄道「えちぜん鉄道」が
発足し、京福電鉄の線路を引き継ぐとともに、より利用しやすい鉄道を目指し
沿線住民と共に歩むことになったという経緯があります。
今回はそのえちぜん鉄道を訪れ、利用しやすい鉄道とはいかなるものかを
考えていきたいと思います。
ではこれから出かけます。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月22日
北陸新幹線
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月22日
551E はくたか551号
大宮→金沢
E7系F25
はくたかの下り始発で、軽井沢からは各駅に停車する。
近くに座っている夫婦が宇奈月のトロッコ列車に乗る話をしていた。そうそう、こういう雰囲気がいいんだよ。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月22日
ていうか、東京からでも新幹線のはくたか始発に乗れば、宇奈月温泉から出るトロッコ列車に午前中に乗れるんだな。これが新幹線の力…
734、軽井沢。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月22日
昼間ならわんさか降りていく軽井沢も、早朝のこの時間帯ではポツポツ程度。
北陸新幹線の会社境界は上越妙高駅なんだけど、乗務員の交代は長野駅で行うので、長野~上越妙高はJR東日本の路線をJR西日本の乗務員が運転する珍しい区間になっている。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月22日
飯山トンネルに入った。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月22日
830、上越妙高。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月22日
待避無しですぐ発車なのに、副本線に入るのはなぜだろうね。
はくたか551号、大宮発の時点で4割くらいの乗車率だったけど、黒部宇奈月温泉駅を出ると空気輸送状態に。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
(早朝だし、直前にかがやきが先行しているので富山・金沢への乗客はわざわざ乗らない)
金沢まで行く私がなぜ乗っているかといえば、これは単に金沢から先の乗り継ぎの問題でして。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
(この後のかがやきだとタッチの差で間に合わない)
934、金沢着。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
熱中症の警戒呼びかけの車内放送があった。
北陸本線特急に乗り継ぐ。
北陸本線
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
6M 特急しらさぎ6号
金沢→芦原温泉
681系N02
元は北越急行所属だった編成か。 pic.twitter.com/IkJitmswcE
建設が進む北陸新幹線の高架橋。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
(金沢~小松) pic.twitter.com/P1xowdnG0U
加賀温泉駅と建設中の北陸新幹線ホーム。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
加賀温泉駅は北陸新幹線では初の本格的な通過線を備えた駅になる。 pic.twitter.com/ZtIAbo7wcs
加賀温泉駅(旧:作見信号場)の駅昇格→特急停車駅→市中心駅→新幹線停車駅まで出世したシンデレラストーリー好き。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
1024、芦原温泉駅に到着。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
新幹線ホームの工事が進む芦原温泉駅に停車する特急サンダーバード。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
本日の特急サンダーバード16号は堂々の12連! pic.twitter.com/qbCn2MTQjP
京福バスでは休日にお得な休日フリーきっぷ(1000円)を発売しています。
少しでも乗ってもらおうという狙いなのでしょうが、芦原温泉の駅と温泉街の
往復だけで元がとれてしまうというのは採算度外視な気も。
京福バス 芦原丸岡永平寺線
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
芦原温泉駅→永平寺
京福バスの休日フリーきっぷ(1000円)を使います。 pic.twitter.com/s9Jd7R0kCX
京福バスの芦原温泉駅~永平寺の正規運賃は1150円なのに、休日フリーきっぷは1000円で乗り放題なので、少し申し訳ない気持ちになってる。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
フリーきっぷはもう少し値上げしてもいいんだぞ? pic.twitter.com/va8H7eatBP
鉄道の駅名からは消えた「東古市」だが、路線バスの停留所名としては残っているんですね。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
京福バスの電鈴式ウィンカー音いいな。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
永平寺のバス停に到着。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
京福バスの塗装はシックで好き。 pic.twitter.com/8rhY2saZUo
永平寺のバス停で降りた後は永平寺を見学…のつもりだったのですが、
廃線になった京福電鉄永平寺線の線路跡が遊歩道になっていることに気付いて
予定変更。線路跡の遊歩道を散策することにしました。
実際に歩いてみると、山の中腹にある永平寺から麓に向かって一方的な
下り坂になっていることがよくわかりました。
かつて走っていた永平寺線の電車は、永平寺駅を出ると常にブレーキを
かけながら坂を下っていったことでしょう。そしてこの過酷な運転と
老朽化した車両があの悲劇を招くことになったのですが…
廃線になった京福電鉄永平寺線の跡地。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
歩行者専用の遊歩道になっている。 pic.twitter.com/fWgYuSqJyw
廃線跡の遊歩道を歩いてみた。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
永平寺駅を出ると、急な下り坂とカーブが延々と続く。
こんなところでブレーキ故障とか考えるだけで恐ろしい。 pic.twitter.com/UUL1hFNLHg
永平寺は鎌倉時代に道元が開いた曹洞宗の大本山。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
禅宗の寺らしい凛とした雰囲気がある。
廃線跡を散策していたら時間が無くなってしまったので山門前まで。 pic.twitter.com/43DdCHcY4r
永平寺から永平寺口駅に移動し、えちぜん鉄道の勝山行き電車に乗り継ぎます。
えちぜん鉄道でも休日に「一日フリーきっぷ」が発売されており、
こちらも1000円。だから安すぎるって。
えちぜん鉄道はほとんどの時間帯がパターンダイヤになっており、
永平寺口駅ではほぼ必ず上下電車の交換が行われます。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
えちぜん鉄道 永平寺口駅。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
京福電鉄時代の駅名は東古市。
永平寺への乗り換え駅であり、交換設備と広い構内を持つ。
奥の1番線が廃線になった永平寺線のホーム。現在でも平日のみ1本だけ電車の発着がある。 pic.twitter.com/TpOQFdiMmU
えちぜん鉄道 勝山永平寺線
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
1255K 普通
永平寺口→勝山
MC6101形6106
九頭竜川に沿って勝山に向かう。 pic.twitter.com/yRTl9S3CNi
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
1349、えちぜん鉄道の勝山駅に到着。 pic.twitter.com/kVxn1y7kee
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
勝山市は恐竜の化石が多数見つかったことで有名なところで、駅前にも
恐竜のモニュメントが置いてありました。
恐竜博物館へのバス連絡もあり、乗ってきた人の多くはそちらが目当てのよう。
私も心惹かれましたが、またの機会にしましょう。
この情報ディスプレイ素晴らしい。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
次に出る電車が乗り換え駅に到着する時刻と接続する電車・バス・JR特急まで一目でわかる。
こういうのが欲しかった。 pic.twitter.com/gdnf99ayO5
えちぜん鉄道 勝山永平寺線
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
1418K 普通
勝山→福井口
MC6001形6106
JR越美北線と、えちぜん鉄道勝山永平寺線。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
どちらも福井駅から出るのだが、
終点は九頭竜湖だけど九頭竜川からは離れているJRと、
九頭竜川に沿って走るけど九頭竜湖までは行かないえちぜん鉄道。
電車の乗客の大半は勝山から乗り通している気がする、
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
こちらも終点の三国港まで向かいます。
えちぜん鉄道は朝と深夜を除き、きれいな30分間隔のパターンダイヤが
組まれています。これなら最寄り駅の発車時刻を一つだけ覚えておけば
いちいち電車の時刻を調べる必要がないわけです。
えちぜん鉄道 三国芦原線
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
1509M 普通
福井口→三国港
MC6101形6112
行きの永平寺口で乗車して以来、添乗のトレインアテンダントさんと全く同じ移動行路で少し気まずい…
えちぜん鉄道の2路線が分岐する福井口駅の時刻表。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
朝と深夜を除いてきれいな30分間隔で発車するパターンダイヤが素晴らしい。 pic.twitter.com/mzk0bWmu5Z
鷲塚針原にて、福井鉄道からの直通電車が待機していた。 pic.twitter.com/soaVukJUnA
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
日本ではLRTは路面電車と混同されることが多いけど、本来の意味で見れば、えちぜん鉄道もLRTの要件をかなり満たしていると思う。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
あわら湯のまち駅。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
芦原温泉の温泉街に近い。
芦原温泉が珍しいのは「田んぼの中に湧いた温泉」だということ。
駅の前後は広い田園が広がる。 pic.twitter.com/2QZOmSrqd1
1558、三国港に到着。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
海が眩しい。 pic.twitter.com/DPEEiMuS1y
三国港からは再び京福バスの路線バスに乗り、東尋坊を廻って芦原温泉駅へ
戻ることにしました。ここまで来たら東尋坊は見ておかないとね。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
東尋坊、めっちゃ人いるんだけど。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
東尋坊、トンビさんの狩り場だった。 pic.twitter.com/iiNfAGsFru
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
とうとう来てしまった東尋坊。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
東尋坊はドラマの影響で冬のイメージが強いが、夏に訪れるとまた違った雰囲気。 pic.twitter.com/WSxOFqmE1b
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
やはり1時間足らずではまともに見て回ることはできないな。東尋坊と近くの雄島まで見ようと思ったら半日は必要。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
芦原温泉の温泉街を通過中。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
山岳温泉に慣れ親しんだ身としては、平地にビジネスホテルみたいなノリで温泉ホテルが密集して建っているのは違和感ありあり。
JR「芦原温泉」駅の国鉄時代の旧駅名は「金津」だったが、路線バスに乗ると「金津」が付く停留所が多くて、この辺りの地名が「金津」であると実感できる。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
午前10時半に芦原温泉駅に着いた後、永平寺、勝山、東尋坊を巡り、18時過ぎに再び芦原温泉駅に戻ってきた。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
この日はこれで終わりではありません。この日の夜、舞鶴港からフェリーで
小樽へ向かう予定だったので、既に18時を過ぎているというのに、
これより越前の芦原温泉駅から丹後の東舞鶴駅へ急いで向かいます。
路線図を見ると北陸本線→(敦賀)→小浜線のルートが一番短いのですが、
今回使ったのは、特急サンダーバード号と特急まいづる号を乗り継ぐ、
北陸本線→湖西線→(京都)→嵯峨野線→舞鶴線というルートです。
一見すると遠回りに見えますが、特急列車だけを使うということもあって
所要時間は小浜線経由とほぼ同じ、時間帯によってはこちらの方が
早かったりします。(あと何より疲れない!)
私は現在、芦原温泉駅にいるのだが…
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
実は今日は23時までに舞鶴に行かないといけないんですよ!(現在時刻は18時)
北陸本線
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
4042M 特急サンダーバード42号
芦原温泉→京都
683系S26+T43
3+9の12連で、福井からは乗車率9割近い盛況。
「この列車は12両編成です」のなんと甘美な響き…
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
1907、北陸トンネルに進入
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
北陸トンネル、いつの間にトンネル内でも電波が届くようになったの?
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
1913、北陸トンネル脱出
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
1917、敦賀を発車。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
建設中の北陸新幹線ホームがあまりに巨大で、ほとんど要塞だな。
1935、近江塩津を通過。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
湖西線を130 km/hで疾走中。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
満月の光が琵琶湖の湖面に映ってきれい…
福井から舞鶴へ行くのなら、敦賀で小浜線に乗り換えてもほぼ同じ時刻に着くのだけど、この時間から各駅停車の普通列車に2時間はきついので、課金して快適な特急だけを乗り継ぐ京都経由のルートを使う。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
2009、京都着。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
嵯峨野線の特急に乗り継ぐ。
山陰本線(嵯峨野線)・舞鶴線
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
5089D~3055D 特急まいづる15号
京都→東舞鶴
KTR8000形KTR8003
京都丹後鉄道の「丹後の海」で運転。
綾部まで特急はしだて9号と併結。 pic.twitter.com/bJUpSQwHZ4
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
2145、綾部着。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
併結の特急はしだて9号を引き離し
2152、綾部発車。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
こちらの乗客は10人程しかいない。
綾部から進行方向が変わるが、30分足らずで終点なので誰も座席を回転させない。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
2221、東舞鶴着。
— 快速上信リレー (@rapidchikuma) 2021年7月23日
無事到着できた。
さて、いよいよ舞鶴港から新日本海フェリーの大型高速フェリーに乗船し、
丸一日かけて北海道に渡る優雅な船旅が始まります。