7月連休旅行1日目(えちぜん鉄道沿線巡り)

 7月23日。いよいよ東京オリンピック開会式を迎えたこの日。

私は家でおとなしく開会式のテレビ中継を待機…することなく、

せっかくの連休ということで遠出の旅行をしてきました。

梅雨明け最初の週末ということで、天気は安定した晴れとなり、

というより猛暑となりましたが、熱中症にならないように気をつけて

出かけました。

 

 1日目は福井県えちぜん鉄道沿線を、電車とバスで回ってきました。

えちぜん鉄道はかつて福井駅を起点に路線を展開していた「京福電鉄」が

所有していた線路を引き継いだ第三セクター鉄道です。

当時の京福電鉄は経営不振から車両の整備や安全への投資もままならず、

半年間で2回もの正面衝突事故を起こしてしまい、当面の運行停止からの

廃線という最悪の流れを辿りました。

ところが問題はここで終わらず、それまで電車が運んでいた高校生を

中心とする大量の乗客が自家用車に切り替えざるを得なくなったため、

京福電鉄沿線の道路では渋滞が悪化して交通が麻痺状態になったのです。

これは負の社会実験と呼ばれ、一見すると赤字の地方私鉄であっても

地方の交通においてはラッシュ時の移動手段を分散し、道路の渋滞を

緩和する役割を果たしていることが明らかになったのです。

これを受けて福井県福井市が出資する第三セクター鉄道えちぜん鉄道」が

発足し、京福電鉄の線路を引き継ぐとともに、より利用しやすい鉄道を目指し

沿線住民と共に歩むことになったという経緯があります。

今回はそのえちぜん鉄道を訪れ、利用しやすい鉄道とはいかなるものかを

考えていきたいと思います。

 まずは北陸新幹線北陸本線特急で芦原温泉駅へ移動。

芦原温泉駅からは京福バス永平寺へ。

京福バスでは休日にお得な休日フリーきっぷ(1000円)を発売しています。

少しでも乗ってもらおうという狙いなのでしょうが、芦原温泉の駅と温泉街の

往復だけで元がとれてしまうというのは採算度外視な気も。

永平寺のバス停で降りた後は永平寺を見学…のつもりだったのですが、

廃線になった京福電鉄永平寺線の線路跡が遊歩道になっていることに気付いて

予定変更。線路跡の遊歩道を散策することにしました。

実際に歩いてみると、山の中腹にある永平寺から麓に向かって一方的な

下り坂になっていることがよくわかりました。

かつて走っていた永平寺線の電車は、永平寺駅を出ると常にブレーキを

かけながら坂を下っていったことでしょう。そしてこの過酷な運転と

老朽化した車両があの悲劇を招くことになったのですが…

永平寺から永平寺口駅に移動し、えちぜん鉄道の勝山行き電車に乗り継ぎます。

えちぜん鉄道でも休日に「一日フリーきっぷ」が発売されており、

こちらも1000円。だから安すぎるって。

えちぜん鉄道はほとんどの時間帯がパターンダイヤになっており、

永平寺口駅ではほぼ必ず上下電車の交換が行われます。

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えちぜん鉄道永平寺口駅での交換風景

勝山市は恐竜の化石が多数見つかったことで有名なところで、駅前にも

恐竜のモニュメントが置いてありました。

恐竜博物館へのバス連絡もあり、乗ってきた人の多くはそちらが目当てのよう。

私も心惹かれましたが、またの機会にしましょう。

福井口駅まで戻り、今度は三国芦原線に乗りかえ。

こちらも終点の三国港まで向かいます。

えちぜん鉄道は朝と深夜を除き、きれいな30分間隔のパターンダイヤが

組まれています。これなら最寄り駅の発車時刻を一つだけ覚えておけば

いちいち電車の時刻を調べる必要がないわけです。

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えちぜん鉄道三国港駅を出発していく電車

三国港からは再び京福バスの路線バスに乗り、東尋坊を廻って芦原温泉駅

戻ることにしました。ここまで来たら東尋坊は見ておかないとね。

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真夏の東尋坊

 

 この日はこれで終わりではありません。この日の夜、舞鶴港からフェリーで

小樽へ向かう予定だったので、既に18時を過ぎているというのに、

これより越前の芦原温泉駅から丹後の東舞鶴駅へ急いで向かいます。

路線図を見ると北陸本線→(敦賀)→小浜線のルートが一番短いのですが、

今回使ったのは、特急サンダーバード号と特急まいづる号を乗り継ぐ、

北陸本線湖西線→(京都)→嵯峨野線舞鶴線というルートです。

一見すると遠回りに見えますが、特急列車だけを使うということもあって

所要時間は小浜線経由とほぼ同じ、時間帯によってはこちらの方が

早かったりします。(あと何より疲れない!)

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「丹後の海」による特急「まいづる」・「はしだて」。綾部駅での分割風景

 

 さて、いよいよ舞鶴港から新日本海フェリーの大型高速フェリーに乗船し、

丸一日かけて北海道に渡る優雅な船旅が始まります。