秋の岐阜県清流紀行

11月22日から23日にかけて秋の岐阜県を鉄道で巡ってきました。

1日目はまず北陸新幹線富山駅へ。

富山駅からは高山本線の特急「ひだ」で岐阜県を縦断します。

今回はグリーン車の切符を買いました。

特急「ひだ」の富山発着編成に連結されるグリーン車「キロ85」は

元は紀勢本線の特急「南紀」用に製造された豪華グリーン車で、

2+1のゆとりある座席配置となっており、先頭になる下り列車の場合は

パノラマな前面展望が楽しめます。

今回は上り列車なので前面展望は見られませんが、側面の窓も大きいので

車窓の風景を存分に楽しむことができます。

高山本線は北は神通川、南は飛騨川に沿って走るため、山と川が織りなす

渓谷美をほぼ全線に渡って観ることができ、乗っているだけでも飽きない

路線です。紅葉は見頃過ぎといった感じでしたが、ここ数週間は晴天が

続いたことから川の水が穏やかに澄んでおり、癒される風景でした。

途中の下呂で下車し、温泉街を散策しました。

下呂温泉は若い世代の取り込みに成功した温泉の一つで、

駅前も温泉街も若い人たちであふれていたのが印象的でした。

昨今は新型コロナウイルス騒ぎによる外出自粛の影響で苦しむ温泉地は

多いようですが、客層の中心が若い世代のところはまだ影響は

抑えられているのかもしれません。

下呂や高山は首都圏・中京・関西の三大都市圏全てからアクセスしやすいと

いうのも強みですね。

 

この日は岐阜市内の少しお値段高めのシティホテルに宿泊。

Go to トラベルキャンペーン中なので有効に使わないとね。

結婚式にも使われるようなホテルはやっぱりすごいですね。

ちょっと気が大きくなってホテルのラウンジで夕食を摂りました。

「まあ宿泊代〇千円値引きされてるし…」と思うと、普段なら値段の高さから

躊躇してしまうところにもお金を使ってしまうんですね。

Go to トラベルキャンペーン恐るべし。

翌朝の朝食もビュッフェ方式ではなく豪華なお膳で出てきましたし、

ビジネスホテルでは味わえない待遇です。

 

翌日は朝から美濃太田駅まで移動し、長良川鉄道に乗車。

長良川鉄道国鉄越美南線を引き継いで発足した第三セクター鉄道です。

奥美濃から流れて伊勢湾に注ぐ清流、長良川に沿って走ります。

本数は1~2時間に1本、普通列車のみで片道約2時間というローカル線であり、

終点で別路線への連絡もないことから往復で乗るしかない。

特に日没の早いこの季節、往復で車窓を楽しむには午前から乗らないと

厳しいことから、今回の旅程のメインとして組み込みました。

長良川に沿ってのんびりと走るローカル線。

越美連絡の計画は打ち切られ、国鉄からは赤字路線として切り離され、

並行して東海北陸自動車道も建設されるという厳しい経営環境に

ありながら、観光列車の運行などで観光客を呼び込むことでなんとか

存続しているようです。

この日は朝からよい天気となり、秋の陽射しを反射してきらめく

長良川の景色は素晴らしいものでした。

 

終点の北濃駅は無人駅。ただし駅舎には食堂が営業しており、

ラーメンやみそカツ定食を食べることができます。

私の他にも20人近い鉄道ファンが乗ってきていて、写真を撮ったり

食事を摂ったりしていました。

こういうの、「終着駅効果」っていうんですかね?

美濃太田からは太多線中央本線と乗り継いで名古屋へ。

名古屋からは東海道新幹線で帰りの途に着きます。

いくら秋の3連休とはいえ、新型コロナウイルスの騒ぎで外出自粛を求める

勢力があり、外国人観光客はまだ戻らず、のぞみ12本ダイヤも始動した

この状況なら東海道新幹線もかなり空きがあると読んでいたのですが…

はい、まさかの全列車指定席満席です。

仕方なく自由席の切符を買いホームに上がると、幸いにもちょうど

到着した「ひかり」号が自由席にだいぶ余裕がある状態。

しかも名古屋からの停車駅が「のぞみ」とほとんど変わらない少ないタイプ。

東京駅までゆったりと座っていけました。

自分は旅先で結構「ツイている」気がします。

駆け足気味の旅程になってしまいましたが、一度乗ってみたかった

長良川鉄道に全線乗車できたので満足です。