中国の経済成長

中国のGDPが日本を抜いて世界第2位になったのは数年前ですが、

確かに中国の経済成長はめざましいです。

まあ、上海は昔から外国資本が入っていて東京以上に都会な街ではありますが。

「いやいや、中国の製品は粗悪で品質面は日本がまだまだリードしている」というのは

日本国内ではよく聞かれる話ですが、果たしていつまでそれが続くでしょうか?

中国人だってばかではありません。

彼らは品質面でも日本を手本にして改善を進めているんです。

後発ゆえにノウハウの獲得も容易です。

特に都市に住む富裕層は安全・健康・環境に対して日本人以上に関心が強いと

いっても過言ではありません。

何せ、彼らが望むのは「日本人と同じ生活」ですからね。

日本が中国に安さだけでなく品質まで追いつかれるのも時間の問題、というのを

こちらでひしひしと感じます。

GDP成長率の年率10%超というのを甘く見てはいけません。

単純に計算しても、10%の成長が10年続けば1.1^10で…

約2.6倍になってしまいます。(実際に世界統計を調べてみてください)

自然科学や軍事技術についても同じことがいえるでしょう。

日本から出たことがなく、中国を甘く見ている方々には

あらゆる面で中国に既に追いつかれているという自覚をもっと持ってほしいですね。

追い抜かれてからでは遅いんです。

 

20世紀末、かつて東側陣営と呼ばれた共産主義諸国は相次いで瓦解しました。

共産主義の理念に基づく政府による経済の統制は、正誤はともかく、

西側陣営の自由主義経済の活力に敵わなかったのです。

しかしその中で生き残り、存在感を増していったのが中国。

中国の恐ろしいところは、政治体制は大きく変えずに自由経済を取り入れたこと。

自分たちが生き残るためには筋が通らないことでも強行するこの国は

本当にしたたかですよ。

共産党一党独裁で政府権限が強く、規制がかけられた情報通信、

前時代的な富国強兵策は世界の潮流から浮いていますが、何はともあれ、

今の中国は世界有数の貿易国および内需国となってしまいました。

自由主義経済にとって巨大な市場は正義です。

先進国でも新興国でも中国経済を無視できる国はもはや存在しないでしょう。

どこかの国が中国に制裁を加えようとしても経済界が猛反発するでしょうね。

かつて西側諸国の強みであった自由主義経済が

いつのまにか逆手にとられて首ねっこを押さえられているのです…

 

これから世界のパワーバランスはどうなっていくのか、日本は対応できるのかと

海外在住となったことで深く自覚し、祖国を憂える身になっています。