くらま

3月22日、護衛艦隊最古参の護衛艦「くらま」DDH-144が退役しました。

しらね型2番艦として昭和五十六年に就役し、

佐世保の第2護衛隊群の中心的存在として三十六年間、日本の海を守ってきました。

しらね型大好きの筆者は今、感慨に浸っています。

「戦前の日本海軍の戦艦・空母くらいなら知識レベルで知ってる」程度だった私が

艦船オタの世界にハマるきっかけになったのが、海上自衛隊しらね型護衛艦」。

 

日本刀の刀身のような鋭い船体。

背負い式に配置された2基の主砲。

排気口が後方に突き出た特徴的な2本の煙突。

構造物が中央に集中したバランスのよいシルエット。

 

古きよき”軍艦”の美しさが残る、その重厚かつ流麗な艦影に魅了されてしまった私。

ただしきっかけがヨドバシカメラの玩具コーナーに積まれていたプラモの箱なんだよね…。

また、普通、艦船好きって「WW2の頃の軍艦」派か「最新のイージス艦・空母」派のどっちかが多いと思いますが、

私の場合、「昭和後期~平成初期の海自護衛艦」という微妙な世代が大好き。

自分どこまでイレギュラーなんだ。

いやいや、みんなわかってないなあ、

クラシックな雰囲気の船体に現代兵装やレーダーをむき出しで積んでいる、

あのアンバランスさが一周回ってかっこいいのに!

 

さて「くらま」の艦種は「ヘリコプター搭載護衛艦」に分類されていました。

ヘリコプター積めるのが何かすごいの?と疑問に思うあなた!

そう、すごいんです。

海に浮かぶ艦船は飛行機のように迅速に移動できません。

ちょっとした物資や人を他船や陸まで運ぶのも一苦労。

飛べる乗り物を持っていること=捜索範囲↑・即応性↑・危機対応能力↑なんですよ。

また滑走路が必要な固定翼機と異なり、

最低限のスペースがあれば離着陸できるヘリコプターは、

海上で長期に渡って活動する組織にとっては今や必須の装備なんですね。

そのヘリコプターを海自で初めて本格的に運用したのが、

いわゆる昭和DDHと呼ばれた第1世代、「はるな」「ひえい」「しらね」「くらま」だったのです。

もちろん私はプラモで4隻作製済み。

 

それぞれ35年以上に渡り頑張ってきた彼女たちですが、寄る年波には勝てず、

後継の第2世代、「ひゅうが」「いせ」「いずも」「かが」に後を託して退役となりました。

今回の「くらま」退役は、まさに一つの時代の終焉なのです…。

お疲れ様でした。

 

その最後の御姿を心に焼き付けるべく、2年前から積極的に走り回った筆者。

アイドルの追っかけをするファンの気持ちが少しわかりましたね。

 

栄光と苦難の長い航海を乗り越えた護衛艦「くらま」。

姉の「しらね」とともに、海自の力の象徴であり続けた歴史は

多くの人の心の中で永遠に。

 

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